夢から醒めないほうがいい

劇団四季『夢から醒めた夢』を観た。
劇団四季のオリジナルミュージカルの中でも特に好きで、数えてみたら8回目の観劇らしい。映像でも何度か観ているからトータルすると20回くらい観ているかもしれない。

演出だけ、あるいは物語だけ見たらこの作品はそれほど質の高いものではないだろう。しかしこの作品がただの子供向けミュージカルに留まらず、幅広い世代から支持を集めるのは不思議な中毒性故ではないかと思う。
何度も観ていると一幕中盤、遊園地のメリーゴーランドのところ「ここーでなら生まれ変われるー」で涙が出るように訓練されてくるのだ。分かっているのに完全にトランス状態に近いところまで行く。ノスタルジアとファンタジーとリアリティが入り混じってどうしようもない中毒性を発揮している。
ただ、今の私にはこの作品はつらすぎたかもしれない。底抜けの明るさではない、どこか闇を孕んだ世界観が至福でありまたつらくもある。
とまあまとまりのないことをグダグダと。
夢の配達人役の道口瑞之さんはやはり良い。この人は何やっても上手いっていうのが分かってるから変に心配しなくていいし何より声がいい。主役を張るような人ではないけれど、中間管理職的立場で舞台を引き締めている印象。

また観たいけれど絶賛火の車なので今回はもう無理か。